株システムトレード ストラテジーバックテスト研究所とは?

株システムトレード ストラテジーバックテスト研究所では、日本株のトレードで安定して勝ち続けるためにはどうすれば良いのかについての研究を行っています。

 

その研究にあたっては、過去データ(株価データ、出来高データ)を使った分析を行い、それを統計的に把握することによって、客観的に有効性の判断をする、といった科学的な方法での検証を心掛けております。

 

文字どおり、株システムトレードのストラテジー研究に他なりません。

(※ 株システムトレードのことをあまりよく知らないという方は、株システムトレード理論をお読みください。)

 

そして、その分析結果をストラテジーレポートとしてまとめ、かつ、無料で公開しています。

 

 

ストラテジーレポートはこちら

 

 

なぜ、このような試みを始めようと思ったのか?

 

相場の世界では、トレード手法の有効性について、科学的な方法で検証している人が非常に少なく、かつ、それは非常に嘆かわしい状況であると感じたからです。

 

 

相場の世界では、どちらかというと、以下のような主観的な話が多いものです。

 

「ここ最近下がりっぱなしだけど、さすがに下がりすぎだろう。そろそろ底値ではないか?」

「この銘柄は直近の高値を更新したから、これからはどんどん上値を追う展開になるだろう!」

 

このようなことがしばしば語られていますが、それではその有効性はどのくらいなのかと聞くと、非常に曖昧な答えしか返ってきません。

 

相場理論っぽく語っている本人も、実は本当に有効なのかどうかがハッキリ分かっていないのではないか、というのが現実です。

 

これでは、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の占いとなんら変わりません。

似非トレード理論と呼んでも良いかもしれません。

 

 

これら似非トレード理論の共通点として、

 

■過去データを使った統計的な分析結果が明示されていないこと

■ある短期間の特定の相場や銘柄だけを事例にして有効性を主張していること

 

が挙げられます。

 

他の科学の世界が日進月歩で進化しているなかで、相場の世界は科学的な方法での分析がまだ十分になされていないというのが率直な感想です。

 

(昔に比べれば随分良くなりましたが)分析ツールが十分に整備されていない個人投資家の世界では、なおのことそれを感じます。

 

 

確かに他の科学の世界と違い、相場の世界では頑健性の高い答えがなかなか見つからないというのは事実だと思います。

 

また、常に機能するトレード理論を求めることに無理があるのも分かります。

 

それに、主観的な判断は全く意味がないというつもりもありません。

 

 

しかし、それにしても、今の状況で良いのかというと、私はそうは思いません。

 

客観的な分析結果もなしに、理論の提唱者が勝手に有効性を主張しているという現状は、何とかして改善されて然るべきだと思うからです。

 

 

実際、書店のトレード本コーナーでは、こうした似非トレード理論の本がかなりの割合を占めているにも関わらず、それらを有り難いものであると思って買っていく人が後を絶ちません。

 

このように、科学者よりも占い師のほうが幅を利かせているのが、トレード本の世界なのです。

 

これは、投資関連のセミナーや情報商材の世界でも同じようなものでしょう。

 

 

株システムトレード ストラテジーバックテスト研究所では、このような現状にメスを入れることから始めたいと考えています。

 

常に勝てるトレード理論を見つけるというのは不可能だとしても、

過去データを使った分析を行い、それを統計的に把握することによって、客観的に有効性の判断をする、

というプロセスを踏むことによって、トレードを科学することを考えます。

 

そして、その分析結果をストラテジーレポートとしてフィードバックすることによって、このサイトの訪問者に日本株のトレードで安定して勝ち続けるためのヒントを与えることが出来ればと思います。



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レポート005:下がった銘柄を翌日買ってその次の日に売る戦略(2)

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1.概要

前回のレポート

レポート004:下がった銘柄を翌日買ってその次の日に売る戦略(1)

とほとんど変わらない条件設定ですが、今回は流動性について考えてみたいと思います。

流動性とは、買いたいとき(売りたいとき)にインパクトやスリッページがなしで買えること(売れること)、を指します。

数値的に説明すると、出来高(ないしは、売買代金)が十分に高いことを流動性が高いといいます。


2.ストラテジーの条件設定

  • ルール設定
仕掛け条件以下をすべて満たすとき、仕掛け
・期間騰落率(1)が-5以下
・終値が100以上
・平均売買代金(1)が300,000,000以上
手仕舞い条件以下のいずれかを満たすとき、手仕舞い
・経過日数が0日以上
資金管理条件1日あたりの最大仕掛け量:当日資産の100%まで
1銘柄あたりポジションサイズ:定額(上限1,000,000円)
仕掛け銘柄優先順位:平均売買代金(1)の降順
その他条件取引形態:買い建て
仕掛け方法:翌日成行
手仕舞い方法:翌日成行
トレード対象上場全銘柄

  • シグナル設定
シグナル設定は無。

  • 全体設定
バックテスト初期資産1,000,000,000円
現物/信用区分現物
ルール優先度単一のルールのため、設定なし

  • バックテスト期間
1990年1月〜2009年9月、年次複利運用


前回の数値例では、1000万円以上としていましたが、実際にトレードするにあたっては、自分のポジションサイズも加味しなければなりません。

流動性が低いと、自分の買い板や売り板などの問題によって、バックテスト結果から期待されていたパフォーマンスよりも遥かに低いパフォーマンスが実現してしまう可能性が高いからです。

これは今回に限らず、すべてのストラテジーについていえることです。

では、どのくらいの流動性が欲しいかというと、これは確たる数値はないので一概には言えませんが、個人的には自分のポジションサイズの50倍〜100倍くらいはあったほうがいいのではないかと感じています。

今回は、ポジションサイズ100万円に対して、売買代金3億円(ポジションサイズの300倍)という条件にしておきました。

なお、前回と同様、今回はも運用資金10億円として、統計的な傾向を把握することを目的としました。


3.バックテスト結果

  • 全体サマリ(サムネイルをクリックすると、拡大します。)


  • 年次サマリ(サムネイルをクリックすると、拡大します。)



4.バックテスト総評

  • 全体サマリ

全体サマリを確認すると、勝率51.52%、期待値0.40%、となっていますので、統計的な傾向として優位性があると言えますが、実トレードでコスト(売買手数料など)がかかることを考えると、ほんのわずかな優位性だと言えそうです。


  • 年次サマリ

年次サマリを確認すると、2008年、2009年、を除けばプラスなので、年単位でみても相場状況に左右されずに統計的な傾向として優位性があると考えられます。


  • 総評

流動性に関する条件を1,000万円から3億円にしたことによってバックテスト結果のパフォーマンス(期待値)が改善したということは、実トレードにおいてはバックテスト結果以上に改善されたと考えて良いでしょう。

なぜならば、売買代金1,000万円の銘柄と売買代金3億円の銘柄を比べたとき、売買代金3億円の銘柄のほうが実際にはトレードしやすいからです。

今回の事例に限らず、流動性に関する条件を変化させたバックテスト結果を比較するというのは非常に有用なことだと思います。


次回は、もう少し違った角度から条件を追加した考察をしてみたいと思います。


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レポート004:下がった銘柄を翌日買ってその次の日に売る戦略(1)

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1.概要

今回は、逆張りで最もシンプルであろうと思われるストラテジーを考察します。つまり、

「前日比で下がった銘柄を翌日買って、その次の日に売れば、どうなるか?」

ということを検証したいと思います。

なお、今回は運用資金を10億円としており、統計的な傾向をつかみます。


2.ストラテジーの条件設定

  • ルール設定
仕掛け条件以下をすべて満たすとき、仕掛け
・期間騰落率(1)が-5以下
・終値が100以上
・平均売買代金(1)が10,000,000以上
手仕舞い条件以下のいずれかを満たすとき、手仕舞い
・経過日数が0日以上
資金管理条件1日あたりの最大仕掛け量:当日資産の100%まで
1銘柄あたりポジションサイズ:定額(上限1,000,000円)
仕掛け銘柄優先順位:平均売買代金(1)の降順
その他条件取引形態:買い建て
仕掛け方法:翌日成行
手仕舞い方法:翌日成行
トレード対象上場全銘柄

  • シグナル設定
シグナル設定は無。

  • 全体設定
バックテスト初期資産1,000,000,000円
現物/信用区分現物
ルール優先度単一のルールのため、設定なし

  • バックテスト期間
1990年1月〜2009年9月、年次複利運用


3.バックテスト結果

  • 全体サマリ(サムネイルをクリックすると、拡大します。)


  • 年次サマリ(サムネイルをクリックすると、拡大します。)



4.バックテスト総評

  • 全体サマリ

全体サマリを確認すると、勝率49.17%、期待値0.29%、となっていますので、統計的な傾向として優位性があると言えますが、実トレードでコスト(売買手数料など)がかかることを考えると、ほんのわずかな優位性だと言えそうです。


  • 年次サマリ

年次サマリを確認すると、1998年、2008年、2009年、を除けばプラスなので、年単位でみても相場状況に左右されずに統計的な傾向として優位性があると考えられます。


  • 総評

課題としては、この条件のままでは期待値の水準が低いことが挙げられますので、他の条件をフィルターとして追加することで改善をさせる必要があるのではないでしょうか。

その上で、自分の資金量に応じたバックテストを行い優位性があるストラテジーが見つかればしめたものです。


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レポート003:斉藤正章氏の逆張りストラテジーについて(3)

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1.概要

今回は、斉藤正章氏の2冊目の本

斉藤正章の「株」勝率80%の逆張りシステムトレード実践テクニック

に関する検証を行いたいと思います。


なお、この2冊目の本は、1冊目の本に比べて、以下の点が大きく異なります。

※斉藤正章氏の1冊目の本では、資金管理条件が明記されていなかったですが、この2冊目の本はそれがきちんと考慮されています。

※この2冊目の本では、「売買シグナル数によって仕掛けをするかどうかを決める」という、相場全体を判定するという考え方が新しく盛り込まれています。


2.ストラテジーの条件設定

  • ルール設定
仕掛け条件以下をすべて満たすとき、仕掛け
・移動平均乖離率(25)が-25以下
・移動平均乖離率(5)が-10以下
・終値が100以上
・平均売買代金(1)が10,000,000以上
・シグナル1のシグナル数が30以上
手仕舞い条件以下のいずれかを満たすとき、手仕舞い
・経過日数が60日以上
・損益率が10%以上
資金管理条件1日あたりの最大仕掛け量:当日資産の100%まで
1銘柄あたりポジションサイズ:定率(資産の10%、上限1,000,000円、下限0円)
仕掛け銘柄優先順位:平均売買代金(1)の降順
その他条件取引形態:買い建て
仕掛け方法:翌日成行
手仕舞い方法:翌日成行
トレード対象上場全銘柄

  • シグナル設定
シグナル1・移動平均乖離率(25)が-25以下
・移動平均乖離率(5)が-10以下
・終値が100以上
・平均売買代金(1)が10,000,000以上

  • 全体設定
バックテスト初期資産5,000,000円
現物/信用区分現物
ルール優先度単一のルールのため、設定なし

  • バックテスト期間
1990年1月〜2009年12月、年次複利運用


条件設定の赤い部分をご覧いただければ分かりますように、斉藤正章氏の2冊目の本には「シグナル数」という概念が新しく入っていることが分かりまsう。

これまでは、シグナル数という概念が入っておらず、仕掛けの条件を満たす銘柄数(シグナル数)が1銘柄であっても100銘柄であっても、同じように扱うというのが大前提でした。

しかし、少し考えてみれば分かりますように、相場全体の状況を把握した上でトレードをするためには、シグナル数が1銘柄でも100銘柄でも同じように扱うのは不自然だとも考えられます。

上記の仕掛け条件に関して言えば、シグナル数が1銘柄のときは、相場全体はそんなに暴落していないと考えられますし、逆に、シグナル数が100銘柄ということになれば、相場全体として暴落していると考えられるでしょう。

この違いを踏まえたストラテジーを構築すれば、相場全体がを加味して仕掛ける局面を的確に探ることも可能になると考えられますが、実際にはどのくらいのものでしょうか。

運用資金は、前回のレポートと同じで500万円としました。


3.バックテスト結果

  • 全体サマリ(サムネイルをクリックすると、拡大します。)


  • 年次サマリ(サムネイルをクリックすると、拡大します。)



4.バックテスト総評

  • 全体サマリ

勝率は84.88%でした。シグナル数の条件を入れなかったときの勝率が66.26%であることを考えれば、かなり改善されたといってもよいでしょう。

総トレード数は410。シグナル数の条件で暴落時(30銘柄以上)のみ仕掛けるということにしたので、トレード数が減っています。

ペイオフレシオ0.70。

期待値11.18%。シグナル数が多いときに仕掛けたときの利益率の高さが際立っていることが分かりました。

プロフィットファクター4.55。こちらもかなり高い数値です。


  • 年次サマリ

※年利について
トレードがある年については、2008年を除いて負けていません。これを見ると、トレードがない年が何年かあることと、2008年のリーマンショックのようなパニック的な暴落時には通用しなかった、ということが分かります。

※期待値について
年利と同様の傾向が見られます。

※最大DDについて
暴落時の底値からの反発を狙っているので、それを当てている年に関してはそれほど大きなドローダウンは被っていないですが、2008年に関しては仕掛け後にさらに暴落しましたので、大きなドローダウンを被っています。


  • 総評

シグナル数に関する条件を入れなかったときと、シグナル数に関する条件(30銘柄以上)を入れたときとでは、バックテスト結果に大きな改善がみられることが分かりました。

これは、斉藤正章氏の逆張りストラテジーに関して言えば、大きく暴落したときに仕掛けるほど、利益になる確率も高いし、1トレードあたりの利益率も高い、ということが全体的な傾向として言えるのではないでしょうか。


ただ、課題がないわけでもありません。それを以下にまとめました。

■シグナル数の設定にもよるが、斉藤正章氏の逆張りストラテジーはシグナル数が多ければ多いほど、反発するチャンスが高い

■ただし、今回のバックテスト結果からも明らかなように、シグナル数を多くしすぎるとトレードのチャンスそのものが極端に少なくなる。

■2008年のリーマンショックのようなパニック的な暴落局面を乗り越えることが難しい。例外的な事象と捉えて覚悟を決めるか、何らかの対策を考えるか、それが課題である。



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レポート002:斉藤正章氏の逆張りストラテジーについて(2)

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1.概要

レポート001:斉藤正章氏の逆張りストラテジーについて(1)

では、資金が十分にある人が斉藤正章氏の逆張りストラテジーを実践したときにどういう結果になったのかについての検証をしました。

分析結果としましては、運用資金が十分にある人(ここでは10億円)であれば、移動平均乖離率を使って売られすぎかどうかを判断して条件を満たせばすべて仕掛けるという戦略も悪くない、というものでした。

しかし、現実には運用資金には限りがあります。

それも何億円ではなく、何百万円〜何千万円、というのが現実でしょう。


そのような自分の運用資金という現実を考えたとき、果たして同じように機能するのかというところが非常に重要です。

そこで、今回は、運用資金が500万円という状況でバックテストを行うとどうなるかということを検証します。


2.ストラテジーの条件設定

  • ルール設定
仕掛け条件以下をすべて満たすとき、仕掛け
・移動平均乖離率(25)が-25以下
・移動平均乖離率(5)が-10以下
・終値が100以上
・平均売買代金(1)が10,000,000以上
手仕舞い条件以下のいずれかを満たすとき、手仕舞い
・経過日数が60日以上
・損益率が10%以上
資金管理条件1日あたりの最大仕掛け量:当日資産の100%まで
1銘柄あたりポジションサイズ:定率10%(上限1,000,000円、下限0円)
仕掛け銘柄優先順位:平均売買代金(1)の降順
その他条件取引形態:買い建て
仕掛け方法:翌日成行
手仕舞い方法:翌日成行
トレード対象上場全銘柄

  • シグナル設定
シグナル設定は無。

  • 全体設定
バックテスト初期資産5,000,000円
現物/信用区分現物
ルール優先度単一のルールのため、設定なし

  • バックテスト期間
1990年1月〜2009年12月、年次複利運用


仕掛け条件と手仕舞い条件は全く同じで、資金管理条件と全体条件について、一部変更しただけです。

運用資金10億円の場合にくらべて、かなり結果が違うことが確認できると思います。


3.バックテスト結果

  • <全体サマリ>(サムネイルをクリックすると、拡大します。)


  • <年次サマリ>(サムネイルをクリックすると、拡大します。)



4.バックテスト総評

  • 全体サマリ

勝率は66.73%でした。運用資金10億円のときに出ていた78.67に比べて落ちていることが確認できます。

総トレード数は1028。運用資金を500万円に減らしたので、その分だけトレード数が減っているのも納得です。

ペイオフレシオ0.63。これは運用資金10億円のときとあまり変わっていません。

期待値1.43%。運用資金10億円のときに出ていた7.18%に比べてかなり落ちています。

プロフィットファクター1.10。こちらも運用資金10億円のときに出ていた2.28に比べてかなり落ちています。


  • 年次サマリ

※年利について
運用資金10億円のときは1990年以降一貫して負けていなかったのですが、運用資金500万円のときは負けている年もちらほら見かけます。2006年以降は4年連続負けていますので、運用資金500万円の人がこのストラテジーでトレードをしていたら大変なことになっていたのは想像に難くありません。

※期待値について
年利と同様の傾向で、負けている年は期待値がマイナスとなっております。

※最大DDについて
運用資金10億円のときには触れなかったですが、現実的な運用資金でのバックテストを見る際には、こちらの数字も重要です。結論から行きますと、全体的に高い数値となっており、ややリスクが高いことが分かります。


  • 総評

以上のように、運用資金500万円の人は、運用資金10億円の人とは状況がかなり違うことが分かります。

特に、2006年以降は4年連続で負けていますので、

「(2006年に本で公開して多くの人に知れ渡ったために)斉藤正章氏の逆張りストラテジーが機能しなくなった」

と感じるのは不思議ではありません。

しかし、資金10億円という十分な資金では期待値がプラスだったわけですから、斉藤正章氏がストラテジーを公開したから機能しなくなった、というのは少し違うような気がします。


ただ、いずれにしましても、運用資金500万円の場合はこのストラテジーでトレードをしていたら大変な目に逢っていたのは事実です。

したがって、今後、現実的な運用資金という制約のもとでこの手の逆張りを実践する場合には、2006年以降のような相場状況がまた再来するかもしれないということも踏まえた上で、相場状況に応じた何らかの対策は必要かもしれません。


株システムトレード ストラテジーバックテスト研究所でも、その対策についてアイデアを出していきたいと思います。


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レポート001:斉藤正章氏の逆張りストラテジーについて(1)

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1.概要

株システムトレードの世界では今や有名になった感はありますが、斉藤正章氏が提唱していた逆張りストラテジーについて、ここで再検証してみたいと思います。

なお、斉藤正章氏の逆張りストラテジーは、移動平均乖離率に関する条件で仕掛けを判定するというものです。

参考とした書籍は、以下のとおりです。

株 勝率80%の逆張りシステムトレード術


2.ストラテジーの条件設定

  • ルール設定
仕掛け条件以下をすべて満たすとき、仕掛け
・移動平均乖離率(25)が-25以下
・移動平均乖離率(5)が-10以下
・終値が100以上
・平均売買代金(1)が10,000,000以上
手仕舞い条件以下のいずれかを満たすとき、手仕舞い
・経過日数が60日以上
・損益率が10%以上
資金管理条件1日あたりの最大仕掛け量:当日資産の100%まで
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  • バックテスト期間
1990年1月〜2009年12月、年次複利運用


斉藤正章氏の一冊目の著書「株 勝率80%の逆張りシステムトレード術」には、仕掛け条件と手仕舞い条件がセットになったストラテジーが提唱されておりますが、言うまでもなく、この条件だけだと実トレードには不十分です。

つまり、自分の資金量がどのくらいかということに関する条件が皆無だからです。

これは「資金管理条件」とよく呼ばれていますが、この資金管理に関連する部分の条件については、当方が恣意的に追加しました。

なお、今回は運用資金10億円、1トレードあたり100万円、としており、実質的に資金制約がない状態のバックテストを試みています。


3.バックテスト結果

  • 全体サマリ(サムネイルをクリックすると、拡大します。)


  • <年次サマリ>(サムネイルをクリックすると、拡大します。)



4.バックテスト総評

  • 全体サマリ

勝率は78.67%でした。

本のタイトルである「勝率80%」にはわずかに及びませんでしたが、バックテスト環境やバックテスト期間や設定パラメータの違いを考慮すれば、看板に偽りなしといったところでしょうか。

総トレード数は9960。1990年からのバックテストであることと、資金10億円でのトレードなのでかなりのトレード数になりました。統計的な信頼性は高いと言えそうです。

ペイオフレシオ0.63。勝ちトレードで得る利益よりも負けトレードで被る損失のほうが大きいことが分かります。

期待値7.18%。1トレードあたりの期待値が7.21%であるということは、1トレード100万円の場合、72,100円稼げることが期待できるという意味です。かなり良い数値だといえるでしょう。

プロフィットファクター2.27。申し分ない高さです。


  • 年次サマリ

※年利について
資金10億円、1トレード100万円なので、ポジションサイズがそんなに大きくないため、年利の水準そのものは高くありませんが、1990年以降一貫して負けていないということが大きなポイントです。

※期待値について
1トレードで得られる利益率についても、毎年プラスであることが確認できます。


  • 総評

以上のように、2006年に本が販売され、多くの人にルールが知れ渡るようになってからも統計的な傾向としては優位性が保たれていることが確認できました。

ただ、この結果をあなたがそのまま鵜呑みにすることはおそらく出来ないでしょう。

なぜならば、運用資金10億円、1トレード100万円、という多くの個人投資家にとって非現実的な資金管理条件でバックテストをしているからです。

運用資金が10億円もあるならば、移動平均乖離率を使って売られすぎかどうかを判断して条件を満たせばすべて仕掛けるという戦略も悪くないでしょう。

しかし、多くの人にとっては10億円という資金などないでしょうから、それを踏まえたバックテスト結果が必要になります。

次回は、それを踏まえたバックテストとその考察をしてみたいと思います。


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